Japanese
English
論説
大腿骨近位部骨折患者に対する骨粗鬆症リエゾンサービスの短期アウトカム
A short term outcome of osteoporosis liaison service for the patients with hip fracture
今井 教雄
1
,
遠藤 直人
2
N. Imai
1
,
N. Endo
2
1新潟大学大学院医歯学総合研究科地域医療長寿学講座
2新潟大学大学院整形外科
1Div. of Comprehensive Geriatrics in Community, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences, Niigata
キーワード:
hip fracture
,
osteoporosis liaison service
,
anti-osteoporotic medication
,
complication
,
mortality
Keyword:
hip fracture
,
osteoporosis liaison service
,
anti-osteoporotic medication
,
complication
,
mortality
pp.401-405
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_401
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は じ め に
わが国では大腿骨近位部骨折患者は依然増加傾向であると報告されている1).筆者らは新潟県における骨折者の平均年齢が85歳にせまり,それに伴い約80%の患者に1つ以上の併存症を有し2),周術期に26%の患者になんらかの周術期合併症を併発すると報告した3).特に周術期合併症はリハビリテーションの進行遅延をもたらし,活動性の低下にいたり,最終的には寝たきりや早期死亡の原因となりうる3).また,骨折後の二次骨折予防に関しても,約50%の症例で薬物治療が開始されず,また,薬物治療の1年後の継続率は20%程度と報告されている4).
このような背景から多職種連携によるリエゾンサービスの必要性が叫ばれ,わが国でも英国の報告5)にならい,各地で骨粗鬆症リエゾンサービスが開始されはじめている6,7).
筆者らは,① 早期手術の実施および入院後合併症の低減,② 二次骨折予防としての薬物治療導入の問題点を改善するため,2015年7月より新潟県立新発田病院で医師主導の骨粗鬆症リエゾンサービスを開始し,その際「しばた」病院で行う,「まめ」のような小さい取り組みであることから,通称「まめシバ作戦」と名づけた.本研究の目的は新潟県立新発田病院における骨粗鬆症リエゾンサービスの短期アウトカムを調査することである.
© Nankodo Co., Ltd., 2019