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多椎胸椎後縦靱帯骨化症に対して除圧範囲骨化巣後弯角の基準に従って行った後方除圧固定術の成績
Efficacy of posterior decompression and fixation based on ossification-kyphosis angle criteria for multilevel ossification of the posterior longitudinal ligament in the thoracic spine
上井 浩
1
H. Uei
1
1日本大学整形外科学系整形外科学分野
1Dept. of Orthop. Surg., Nihon University, School of Medicine, Tokyo
キーワード:
OPLL
,
thoracic spine
,
ossification-kyphosis angle
,
posterior decompression and fixation
Keyword:
OPLL
,
thoracic spine
,
ossification-kyphosis angle
,
posterior decompression and fixation
pp.1307-1312
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_1307
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【要 旨】
目 的:胸椎後縦靱帯骨化症に対する後方除圧範囲の設定を,除圧範囲骨化巣後弯角(OKA)に従って行った後方除圧固定術の有効性を前向きに検証すること.
対象および方法:OKAを23°以下に設定可能であった症例をU群(n=13),23°以下に設定不能であった症例をO群(n=7)として後方除圧固定術を20例に行った.術後日本整形外科学会頚髄症治療判定基準から上肢症状を除く11点満点法(JOAスコア)[11点法],JOAスコア改善率,固定椎間数,除圧椎間数,術中echo-free spaceの有無,手術時間,術中出血量,周術期合併症の発生を調査した.
結 果:U群とO群では,JOAスコア改善率は平均50.0%と平均45.6%(p=0.3),固定椎間数は平均6.7椎間と平均6.4椎間(p=0.8),除圧椎間数は平均5.9椎間と平均7.4椎間(p=0.3),術後経過観察期間は平均86.3ヵ月と平均34.5ヵ月であった(p=0.03).周術期合併症では一過性の麻痺悪化がU群が2例,O群が1例認めた.
結 語:OKAを23°以下に設定して,脊髄の間接除圧が十分にできることが理想である.しかし,脊髄除圧の成否にかかわらず,後方除圧固定術は術後の麻痺発生リスクが低く,安定した成績が望める術式である.
© Nankodo Co., Ltd., 2019