Japanese
English
論説
日本語版Lumbar Stiffness Disability Index(LSDI-J)の開発
-――言語的妥当性を担保した翻訳版の作成
Development of a Japanese version of the Lumbar Stiffness Disability Index(LSDI-J);translation and linguistic validation
高見 正成
1
,
橋爪 洋
1
,
岡 敬之
2
,
湯川 泰紹
3
,
南出 晃人
4
,
岩﨑 博
1
,
筒井 俊二
1
,
岡田 基宏
1
,
川上 守
5
,
山田 宏
1
M. Takami
1
,
H. Hashizume
1
,
H. Oka
2
,
Y. Yukawa
3
,
A. Minamide
4
,
H. Iwasaki
1
,
S. Tsutsui
1
,
M. Okada
1
,
M. Kawakami
5
,
H. Yamada
1
1和歌山県立医科大学整形外科学講座
2東京大学医学部附属病院22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ & マネジメント講座
3和歌山県立医科大学運動機能障害総合研究開発講座
4和歌山県立医科大学低侵襲脊椎外科手術研究開発講座
5和歌山県立医科大学附属病院紀北分院脊椎ケアセンター
1Dept. of Orthop. Surg., Wakayama Medical University, Wakayama
キーワード:
Japanese version of the LSDI
,
translation
,
linguistic validation
,
spinal disorders
,
spinal fusion
,
self-reported questionnaire
Keyword:
Japanese version of the LSDI
,
translation
,
linguistic validation
,
spinal disorders
,
spinal fusion
,
self-reported questionnaire
pp.1033-1037
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_1033
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は じ め に
腰椎固定術は,腰痛や神経症状の改善が期待される一方,固定による屈み動作困難がもたらす日常生活動作(ADL)障害,すなわち腰椎不撓性障害が生じる可能性がある.近年,手術の低侵襲化が達成され,本邦でも成人脊柱変形に対する手術的治療が盛んに行われるようになり,長範囲の脊椎固定術症例が増加している.特に胸椎から骨盤まで固定を受けた患者では,より顕著にADL障害があらわれる可能性があるが,固定術後の腰椎不撓性障害については,ほとんど把握できていないのが現状である.その原因の一つとして,評価基準が存在しないことがあげられる.世界的にみると米国で報告されたLumbar Stiffness Disability Index(LSDI)1,2)は,脊椎不撓性障害が評価可能な自己記入式質問票であり,屈み動作を要する10項目のADLに関する質問から構成され,5段階で評価を行う.LSDIにおいては,短椎間固定と長範囲固定の比較において長範囲固定で有意に多く脊椎不撓性障害が出現することが検証されるなど,すでにこの質問票に関する報告がなされており2~7),今後世界的に広く用いられる可能性がある.しかしながら,われわれが知る限り言語的妥当性が確認された日本語版のLSDIは存在しない.
われわれは,LSDIを日本語に翻訳し,その言語的妥当性を検討して日本語版LSDI-Jの開発を行ったので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019