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腰椎後方固定術の術後成績に及ぼす肥満の影響
-――805例の解析
Effect of obesity and being overweight on disability and pain after lumbar fusion;an analysis of 805 patients
反町 泰紀
1
Y. Sorimachi
1
1前橋赤十字病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Japanese Red Cross Maebashi Hospital, Maebashi
キーワード:
obesity
,
spinal fusion
,
prospective database
Keyword:
obesity
,
spinal fusion
,
prospective database
pp.81-83
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_81
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【要 旨】
目 的:腰椎固定術は,腰椎変性疾患の症状緩和に関して有効であるが,肥満がその術後成績にどの程度関与するかは明確ではない.本研究の目的は,大規模な前向き調査により肥満が腰椎固定術後の成績に及ぼす影響を明らかにすることである.
対象および方法:2008年1月~2013年12月に,腰椎後方固定術を施行した805例を対象とした.背景因子と術前および術後1年のOswestry Disability Index(ODI),腰下肢痛のvisual analogue scale(VAS)を調査し,body mass index(BMI)<25を正常体重群(N群),25以上30未満を過体重群(Ow群),≧30を肥満群(O群)に分けて比較・検討した.
結 果:805例の内訳は,N群204例(25.3%),Ow群365例(45.3%),O群236例(29.3%)であった.術前の運動時間は,O群で週に平均2時間と有意に少なかった(p<0.001).術前のODIと腰下肢痛のVASは3群間で有意差はなく同程度であった.術後1年でのODIの変化量は,N群−25,Ow群−24,O群−23(p=0.013)と近似していたが,ODI≧40の高度障害例の割合がN群14.7%,Ow群17%,O群24.2%とO群で有意に高かった(p=0.0052).術後1年での腰下肢痛はOw群・O群と比べN群で有意に改善していた(p<0.05)
結 論:腰椎固定術は肥満例に対しても有用であるが,その術後成績は正常体重例に比し劣る.
© Nankodo Co., Ltd., 2018