Japanese
English
連載 専門医試験をめざす症例問題トレーニング
リウマチ性疾患,感染症
Rheumatic disease, infectious disease
荒井 勝光
1
K. Arai
1
1新潟県立中央病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Niigata Prefectural Central Hospital, Joetsu
キーワード:
RA
,
elderly-onset
,
diagnosis
,
treatment
Keyword:
RA
,
elderly-onset
,
diagnosis
,
treatment
pp.74-80
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_74
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
症 例.73歳,女.
主 訴:両膝痛,両手関節痛,両手指痛.
家族歴・既往歴:特記すべきことはない.
現病歴:身長152cm,体重60kg.3年前に左膝痛が出現し,近医で変形性膝関節症(膝OA)の診断でヒアルロン酸製剤の関節内注射治療を受けていた.軽度の両膝関節痛は残存していた.戸外の平坦な道を歩くことや階段を5段上がることは少し困難であったが,いずれも可能であった.3週前から特に誘因なく両膝痛が悪化し,関節穿刺とヒアルロン酸注射を受けた.効果は一時的であり,その後両膝痛がさらに増悪し,歩行が困難となったため紹介されて当院を受診した.数日前から両手関節,両手指にも痛みが出てきた.
初診時所見:歩行が困難で車椅子で来院した.両膝に疼痛・腫脹があり,両膝の可動域(伸展/屈曲)は−20°/95°であった.両手関節,両中指近位指節間(PIP)関節に疼痛・腫脹があった.手背・足背に浮腫はみられなかった.両膝穿刺で黄色漿液性の関節液が各40mLひけた.検鏡で結晶はみられなかった.
血液検査所見:白血球7,000/μl(好中球72%,リンパ球21%),ヘモグロビン12.0g/dl,CRP 6.1mg/dl,リウマトイド因子(RF)299(施設正常上限18)IU/ml,抗CCP抗体1.3(施設正常上限4.4)U/ml,抗核抗体陰性,赤沈112/時,GOT 20IU/l,GPT 18IU/l,尿素窒素21.6mg/dl,クレアチニン0.6mg/dl,eGFR 73.2ml/分/1.73m2であった.
X線所見:両膝立位正面像(図1a),両手関節正面像(図1b),両手正面像(図1c),胸部X線撮影で異常はなかった.
© Nankodo Co., Ltd., 2018