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症 例.76歳,女.
主 訴:右手関節痛,右手指伸展障害.
既往歴:大腸憩室炎(55歳時),胃癌(69歳時).
現病歴:5年前に多発関節痛で近医内科を受診した.高齢発症の関節リウマチ(RA)の診断を受け,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs),副腎皮質ステロイド5mg/日,メトトレキサート(MTX)8mg/週による治療を開始した.右手関節の腫脹と疼痛が持続していたが,約1ヵ月前から右第3,4指の伸展障害を自覚し,コップが把持しにくい,洗顔動作が不自由などの日常生活動作(ADL)障害が出てきた.RAのコントロールと右手関節痛および右手指伸展障害の治療目的で当科を紹介され受診した.
身体所見:身長154cm,体重48kgで,独歩可能であった.腫脹関節数は7,圧痛関節数は5であり,全般的疾患活動性評価65/100,医師による疾患活動性評価45/100であった.
右手関節に腫脹,圧痛があった.可動域(ROM)は背屈30°,掌屈45°,回外40°,回内70°と制限されていた.手指は第2,5指中手指(MCP)関節の自動伸展は−10°,第3,4指中手指節(MP)関節の自動伸展は−80°であった.屈曲は障害されていなかった.
血液検査所見:白血球数3,200/μl,赤血球数320万/μl,ヘモグロビン10.8g/dl,血小板数12万/μl,MCV 104fl,MCH 37pg,MCHC 37g/dl,AST 50IU/l,ALT 44IU/l,BUN 21mg/dl,Cr 0.9mg/dl,GFR 39.8ml/分,CRP 2.78mg/dl,ESR(1時間)55mm,リウマトイド因子85IU/ml,血糖値132mg/dl,HbA1c 6.8%,HBsAg(−),HCV抗体(−)であった.結核既往はなく,T-SPOTは陰性であった.
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