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人工膝関節全置換術において脛骨近位前後軸は骨切りによって変化しうる
-――アジア人変形性膝関節症を対象としたコンピュータシミュレーション
The anteroposterior axis of the proximal tibia can change after tibial resection in total knee arthroplasty;computer simulation using Asian osteoarthritis knees
牛尾 哲郎
1
T. Ushio
1
1九州大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University, Fukuoka
キーワード:
TKA
,
tibial rotational alignment
,
anteroposterior axis
,
OA
Keyword:
TKA
,
tibial rotational alignment
,
anteroposterior axis
,
OA
pp.1177-1182
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_1177
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【要 旨】
目 的:人工膝関節全置換術(TKA)における脛骨骨切り面が脛骨近位前後軸に与える影響を,三次元骨モデルを用いて評価した.
対象および方法:日本人内反変形膝93膝の術前CTから三次元骨モデルを作製した.三次元座標軸上で脛骨前後軸を脛骨内側顆と外側顆の中心点の垂直二等分線と定義し,脛骨後傾を機能軸に対して0°,3°,7°で骨切りを行い,骨切り前後における前後軸の変化を比較・検討した.
結 果:骨切り前の前後軸は膝蓋腱脛骨付着部の内側1/6(約16%)周辺を通過していた.骨切り後の前後軸は骨切り前と比べすべての後傾において有意に内旋しており,後傾0°で4.1°,後傾3°で3.0°,後傾7°で2.1°内旋であった.また,3°/5°以上内旋した症例は,後傾0°で66.7%/34.4%,後傾3°で53.8%/24.7%,後傾7°で38.3%/11.8%であった.
結 論:脛骨近位前後軸は骨切りに伴い内旋する可能性があり,術者は骨切り面の変化が前後軸に与える変化を認識すべきである.
© Nankodo Co., Ltd., 2018