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大腿骨頭頚部移行部のcam変形検出における単純X線撮影と放射状MRI撮像の相関性
Correlation of alpha angle between various radiographic projections and radial magnetic resonance imaging for cam deformity in femoral head-neck junction
齊藤 昌愛
1
M. Saito
1
1聖路加国際病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., St. Luke International Hospital, Tokyo
キーワード:
cam
,
FAI
,
radiology
Keyword:
cam
,
FAI
,
radiology
pp.487-493
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_487
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【要 旨】
目 的:大腿骨頭頚部移行部のcam病変の検出には,大腿骨頚部を軸とした放射状MRIを用いることがゴールデンスタンダードとされている.本研究の目的は,単純X線撮影方法のどのような撮影方法が,放射状MRIともっとも相関するかを検討することである.
対象および方法:対象は股関節痛とインピンジメントテスト,および股関節唇損傷を有する,連続した34例35股関節である.全例5種の単純X線像(臥位股関節正面像,cross-table lateral view,90°Dunn view,45°Dunn view,modified 45°Dunn view)と放射状MRIの18スライスを撮影し,α角を測定した.放射状MRIのα角と単純X線5撮影方法の各々のα角との相関をPearsonの相関係数で算出した.α角>50.5°でcam病変ありと定義し,各々の単純X線撮影でのcam病変検出の感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率,精度を算出した.
結 果:MRIと単純X線5撮影方法とのPearsonの相関係数はそれぞれ,臥位股関節正面が0.45,cross-table lateral viewが0.70,90°Dunn viewが0.62,45°Dunn viewが0.81,modified 45°Dunn viewが0.69であった.感度と精度は45°Dunn viewが最大だった.
結 論:45°Dunn viewで測定したα角が,放射状MRIで測定したα角ともっとも強い相関があり,ほかの単純X線撮影方法より感度と精度がもっとも高かった.45°Dunn viewはcam変形のスクリーニング検査として有用であった.
© Nankodo Co., Ltd., 2018