Japanese
English
連載 専門医試験をめざす症例問題トレーニング
骨盤・股関節疾患
Pelvic and hip joint disease
神野 哲也
1
T. Jinno
1
1獨協医科大学埼玉医療センター第二整形外科
1Second Dept. of Orthop. Surg., Dokkyo Medical University Saitama Medical Center, Koshigaya
キーワード:
acetabular dysplasia
,
osteotomy
,
arthroplasty
Keyword:
acetabular dysplasia
,
osteotomy
,
arthroplasty
pp.1059-1065
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_1059
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症 例.44歳,女.事務職.
主 訴:右鼡径部痛.
家族歴:特記すべきことはない.
既往歴:歩行開始後に右発育性股関節形成不全(DDH)を指摘され,2~3歳時に抜釘術含め二度の手術を受けたが,詳細不明であった.
趣味・スポーツ:特記すべきことはない.
生活歴:機会飲酒であり,喫煙歴はない.
現病歴:半年前から右鼡径部痛が続いている.起床時に右股関節のこわばりがある.歩行開始時や,1時間以上の歩行時に痛みを生じる.左股関節には痛みや疲労感などの愁訴はない.日常生活動作(ADL)では,家事や外出時の車乗降動作などにおいて困難は感じていないが,階段昇段時や蹲踞時にはつかまりを要していた.
初診時所見:身長158cm,体重50kg.右逃避性跛行を認めた.局所視診上,右股関節外側の大転子付近に縦皮切痕を認めた.右Scarpa三角に圧痛があり,Patrickテスト,屈曲内転内旋(flexion-adduction-internal rotation:FADIR)テストがいずれも陽性であった.股関節可動域(ROM)[右/左]は,屈曲110°/120°,伸展15°/20°,外転10°/35°,内転15°/15°,外旋20°/30°,内旋10°/45°であった.両股関節単純X線像を図1に示す.
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