特集 最近よく聞く他科の薬―先生の外来にこの薬を使っている患者さんがきますよ
第11章 腫瘍
[抗悪性腫瘍薬(分子標的治療薬(NTRK阻害薬,FGFR阻害薬,MET阻害薬,PARP阻害薬))]ラロトレクチニブ(ヴァイトラックビ®),エヌトレクチニブ(ロズリートレク®),エルダフィチニブ(バルバーサ®),ペミガチニブ(ペマジール®),フチバチニブ(リトゴビ®),タスルグラチニブ(タスフィゴ®),カプマチニブ(タブレクタ®),テポチニブ(テプミトコ®),グマロンチニブ(ハイイータン®),オラパリブ(リムパーザ®),タラゾパリブ(ターゼナ®),ニラパリブ(ゼジューラ®)
内藤 陽一
1
1国立がん研究センター東病院 総合内科
pp.722-731
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_722
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NTRK阻害薬
▪NTRK融合遺伝子を有する固形がんを対象とする薬剤である.
▪NTRK融合遺伝子は低頻度(0.3%)であるが,がん種横断的に認められる.
▪めまい,浮腫,消化器症状に注意する.
FGFR阻害薬
▪FGFR1~4遺伝子のうち,いずれかを標的とするが,主に融合遺伝子が対象になる.
▪高リン血症,網膜剝離,爪変化など特徴的な有害事象を有する.
MET阻害薬
▪MET遺伝子エクソン14スキッピング変異を標的としている.
▪浮腫,頻度は低いものの間質性肺疾患に注意する.
PARP阻害薬
▪主にBRCA遺伝子変異を有する症例を対象に,「合成致死」で効果を発揮する.
▪貧血,消化器症状に注意する.

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