特集 全身性強皮症―皮膚だけではなく全身性の自己免疫疾患
[Chapter 2] 臓器別ピットフォール
関節炎
高橋 裕樹
1
,
永幡 研
1
1札幌医科大学医学部 免疫・リウマチ内科学
キーワード:
関節リウマチ(RA)
,
重複症候群
,
生物学的製剤
Keyword:
関節リウマチ(RA)
,
重複症候群
,
生物学的製剤
pp.79-83
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_79
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★★全身性強皮症(SSc)でみられる関節病変は関節炎16%,腱鞘滑膜炎11%と報告されている.罹患部位としては手関節,中手指節間(MCP)関節,近位指節間(PIP)関節が多く,進行に伴い関節拘縮を生じることも多い.抗CCP抗体は1~15%で陽性であり,とくに関節リウマチ(RA)重複例の抽出に有効である.
★★★関節症状を契機にSScとRAを鑑別する場合,Raynaud現象や抗CCP抗体の有無が参考になる一方,両疾患の重複も報告されている.びらん性関節炎の存在はRAの合併を支持する.
★SScの関節炎に対する薬物療法はRAに準じて行われることが多いが,皮膚硬化や間質性肺病変への影響も勘案する.とくに欧米ではmethotrexate不応例への生物学的製剤はrituximab,またはIL-6阻害薬が選択される傾向にある.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容
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