特集 ここまでできる! プライマリケア―領域別で考えるプライマリケア医と専門医の役割
第3章:血液
[汎血球減少,貧血,出血傾向]再生不良性貧血
小原 直
1
1筑波大学医学医療系 医療科学・血液内科
pp.639-643
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_639
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プライマリケアでここまでできる!
・汎血球減少をみたとき,どのような患者を専門医に紹介すべきか,自分で経過観察すべきか判断できる.
・血球減少をみたとき,適切な身体所見や問診を行い,血液検査の結果の解釈・判断ができる.
ここからは専門医に任せよう!
・血球減少が軽度な場合は,しばらく経過観察を行うこともあるが,徐々に進行していく症例は,一度血液専門医に紹介して診断を確実にし,治療の必要性を判断したほうがよい.
・再生不良性貧血は,骨髄異形成症候群(MDS)との鑑別が重要であること,MDSと再生不良性貧血とでは治療対応が異なり,再生不良性貧血であれば早期の治療介入が良好な治療反応性につながることがあることなどが理由である.
・慢性的に経過する場合は,専門医に紹介するタイミングとしては血球減少が進行する速度と自覚症状の有無が重要である.
・免疫抑制薬やトロンボポエチ受容体作動薬(TPO-RA)製剤の内服治療が中心となった場合は,プライマリケア医によるフォローは十分検討される.

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