病気のはなし
再生不良性貧血
黒川 峰夫
1
1東京大学大学院医学系研究科血液・腫瘍病態学
pp.1202-1207
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209143
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Point
●再生不良性貧血は骨髄の造血幹細胞が減少し,末梢血の全ての血球が減少する疾患である.
●成人例の多くを占める特発性では,免疫学的機序による造血幹細胞の傷害が主要な原因と考えられている.
●骨髄中の有核細胞の減少(低形成性骨髄),骨髄の脂肪化(脂肪髄),末梢血での汎血球減少と,白血球分画におけるリンパ球比率の上昇(相対的リンパ球増加)が検査上の特徴である.
●治療は免疫抑制療法,トロンボポエチン作動薬,同種造血幹細胞移植,タンパク同化ステロイドなどであり,重症度によって適切なものが選択される.
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