特集 広く浅く知る白血病―令和になってこう変わった
[Chapter 4] 白血病治療の合併症
免疫不全と感染症
木村 俊一
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター 血液科
キーワード:
好中球減少
,
細胞性免疫不全
,
液性免疫不全
Keyword:
好中球減少
,
細胞性免疫不全
,
液性免疫不全
pp.902-906
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_902
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★★★免疫不全(皮膚・粘膜バリアの傷害,好中球減少,細胞性免疫不全,液性免疫不全)の種類や程度は白血病の病型や治療内容によっても異なり,それに伴って注意すべき病原体や感染症も変わってくる.
★★B型肝炎,結核のスクリーニングは原則としてすべての化学療法前に実施する.
★★急性骨髄性白血病に対する化学療法では長期の好中球減少が感染症の最大のリスク因子となり,細菌・真菌感染症の発症リスクが高い.
★★急性リンパ性白血病に対する化学療法では,好中球減少に加えて細胞性免疫不全が起きるため,ニューモシスチス肺炎に対する予防などが必要となる.
★慢性リンパ性白血病は,疾患自体による液性免疫不全に加えて,化学療法による細胞性免疫不全などが生じるが,治療薬によっても免疫不全,注意すべき病原体のプロファイルが変わってくる.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容
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