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第8章 神経
[ATTRアミロイドーシス]核酸医薬品の進歩に基づく治療薬開発の最近の進歩と展望
関島 良樹
1,2,3
1信州大学 脳神経内科
2信州大学 リウマチ・膠原病内科
3信州大学 バイオメディカル研究所
キーワード:
トランスサイレチン(TTR)
,
遺伝性ATTR(ATTRv)アミロイドーシス
,
野生型ATTR(ATTRwt)アミロイドーシス
,
核酸医薬品
Keyword:
トランスサイレチン(TTR)
,
遺伝性ATTR(ATTRv)アミロイドーシス
,
野生型ATTR(ATTRwt)アミロイドーシス
,
核酸医薬品
pp.709-716
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_709
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Summary
・遺伝性ATTRアミロイドーシス(ATTRv)はトランスサイレチン(TTR)遺伝子変異に起因する常染色体顕性遺伝の疾患である.
・本症は典型的な毒性機能獲得型の疾患であり,また動物モデルでTTR遺伝子をノックアウトしても明かな表現型を呈さないことから,低分子干渉RNA(siRNA)やアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を用いた遺伝子サイレンシング治療の開発が進んでいる.
・siRNA製剤であるpatisiranとvutrisiranは,ランダム化比較試験でATTRvアミロイドーシスの末梢神経障害の進行を有意に抑制することが示され,国内外で認可されている.
・高齢者のcommon diseaseである野生型ATTR(ATTRwt)アミロイドーシスに対する核酸医薬品の治験も進行中である.
© Nankodo Co., Ltd., 2024