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第3章 血液
[造血幹細胞移植]女性ドナーから男性レシピエントへの同種造血幹細胞移植における慢性移植片対宿主病の発症機序
森田 薫
1
1名古屋大学大学院 医学系研究科分子腫瘍学
キーワード:
移植片対白血病(GVL)効果
,
慢性移植片対宿主病(GVHD)
,
自己免疫疾患
Keyword:
移植片対白血病(GVL)効果
,
慢性移植片対宿主病(GVHD)
,
自己免疫疾患
pp.492-496
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_492
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Summary
・同種造血幹細胞移植は,今も造血器腫瘍に対する最強の治療法である.
・移植の合併症である慢性移植片対宿主病(GVHD)は病態が明らかでなく,有効な治療薬が少ない.
・慢性GVHDと移植片対白血病(GVL)効果は表裏一体の関係である.
・女性ドナーから男性レシピエントへの移植は慢性GVHDの重要なリスクである.
・女性ドナーから男性レシピエントへの移植における慢性GVHDでは,Y染色体由来の蛋白質がHLA class Ⅱと複合体を形成し,血管内皮上に発現することで同種抗体を誘導する.
・Y染色体由来の蛋白質とHLA class Ⅱの複合体は男性の白血病細胞にも発現する.
© Nankodo Co., Ltd., 2024