特集 身近に潜む心筋症を診る―進歩する診断と治療
[Chapter 4] 全身疾患関連心筋症
心アミロイドーシス
南澤 匡俊
1
,
桑原 宏一郎
1
1信州大学 医学部循環器内科学教室
キーワード:
心アミロイドーシス
,
免疫グロブリン軽鎖(AL)アミロイドーシス
,
トランスサイレチン型(ATTR)アミロイドーシス
,
疾患修飾療法
Keyword:
心アミロイドーシス
,
免疫グロブリン軽鎖(AL)アミロイドーシス
,
トランスサイレチン型(ATTR)アミロイドーシス
,
疾患修飾療法
pp.265-270
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_265
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★★★心アミロイドーシスは,全身性アミロイドーシスにおいて,心臓の間質にアミロイド蛋白が沈着して,形態的・機能的異常をきたす疾患群である.病型により予後,特異的治療薬が異なり,免疫グロブリン軽鎖(AL)心アミロイドーシス(AL–CM)とトランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR–CM)の鑑別が肝要である.
★★左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)の13~14%はATTR ATTR–CMであることが報告されており,病歴,身体所見(心臓外症状を含む),心エコーなどのスクリーニング検査と,心アミロイドーシスの診断に有用な骨シンチグラフィとM蛋白の評価の追加検査を早期に実施する.
★★ATTR–CM(野生型,遺伝性ともに)に対する疾患修飾療法としては,TTR四量体安定化薬(内服薬)tafamidisが認可されている.遺伝性ATTR–CMの神経症状に対しては,tafamidisに加えて,核酸医薬点滴静注製剤patisiran,第二世代皮下注製剤vutrisiranが認可されている.
★原発性ALアミロイドーシスに対して,ヒト型抗CD38モノクローナル抗体を含む多剤化学療法が認可されている.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容
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