特集 患者の将来を見据えた実践的糖尿病診療―脱 “血糖屋さん” のススメ
扉
白川 純
1
1群馬大学 生体調節研究所代謝疾患医科学分野
pp.1064-1064
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_1064
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2023年の時点で糖尿病専門医は6,773人いるのに対し,厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると,糖尿病が強く疑われる人は約1,000万人いると推計されている.このため,多くの糖尿病をもつ人は,糖尿病を専門としない医師の診療を受けていることになる.糖尿病治療の基本は食事療法,運動療法,および薬物療法により血糖値を改善することであり,約10年前の2013年に行われた第56回日本糖尿病学会年次学術集会で,合併症予防の管理目標値としてHbA1c 7%未満を推奨することが「熊本宣言2013」として示された.現在では内服薬やインスリンおよび注射剤も選択肢が広がり,糖尿病治療薬により多くの糖尿病をもつ人においてHbA1c 7%未満を達成ならびに維持できる時代となりつつある.
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