特集 保存期慢性腎臓病と透析期のステージに応じた診療のポイント
[Chapter 2] 輸液・電解質異常への対応
CKDにおけるカリウム管理
後藤 公彦
1
,
藤井 秀毅
2
1北播磨総合医療センター 腎臓内科
2神戸大学大学院 医学研究科 腎臓内科 腎・血液浄化センター
キーワード:
慢性腎臓病(CKD)
,
高カリウム血症
,
カリウム吸着薬
Keyword:
慢性腎臓病(CKD)
,
高カリウム血症
,
カリウム吸着薬
pp.25-29
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_25
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▪CKD患者では,カリウム(K)の細胞外シフトや尿中への排泄低下のため,高カリウム血症をきたすことが多く,使用薬剤や食事内容の影響によりさらに高カリウム血症をきたしやすくなる.
▪レニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬,ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬による薬剤性の高カリウム血症が疑われる場合は,患者へのリスク・ベネフィットをよく考えて,薬剤の継続の可否を判断する必要があると考えられる.
▪高カリウム血症が進行すると不整脈の出現,そして突然死に至ることもあるため,Kのコントロールは非常に重要であるが,生命予後の観点からは,CKDでは血清K濃度4.0~5.0mmol/L程度が望ましいとされている.
▪Kのコントロールの手段として食事制限や,カリウム吸着薬の服用が行われるが,近年は新たなカリウム吸着薬が出てきており治療の選択肢が広がっている.
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