特集 プライマリケアに必携! アレルギー診療の基本ガイド
[Chapter 2] 治療の基礎知識
アレルゲン免疫療法
中込 一之
1
,
永田 真
1
1埼玉医科大学 呼吸器内科・アレルギーセンター
キーワード:
皮下免疫療法(SCIT)
,
舌下免疫療法(SLIT)
,
アレルギー性鼻炎
,
気管支喘息
Keyword:
皮下免疫療法(SCIT)
,
舌下免疫療法(SLIT)
,
アレルギー性鼻炎
,
気管支喘息
pp.1059-1063
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_1059
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▪アレルゲン免疫療法は,アレルギー疾患の自然経過を修飾し,その寛解を誘導しうる治療法である.皮下注射による免疫療法(SCIT)と舌下免疫療法(SLIT)がある.
▪本療法には,① 治療を中止しても年余にわたり効果が維持される,② 新規のアレルゲン感作を抑制する,などの自然経過の修飾作用や,合併する他臓器のアレルギー症状に対する包括的改善作用など,薬物療法とは異なった意義が期待できる.
▪喘息におけるダニSCITの一般的な適応は,軽症から中等症で呼吸機能が正常なアトピー型喘息である.
▪アレルギー性鼻炎に対するダニSCITの適応は,ダニアレルギー性鼻炎の診断が確定している全患者である.
▪ダニSLITのわが国における保険適用疾患はアレルギー性鼻炎であるが,国際的には,ダニSLITの喘息に対する有効性も証明されている.喘息でも,アレルギー性鼻炎合併例では,ダニSLITを処方可能である.
▪スギ花粉症に対するSCITおよびSLITの適応は,スギによる花粉症の診断が確定している全患者である.花粉症は喘息の悪化因子であり,合併する喘息コントロールに対する効果も報告されている.
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