特集 疾患・治療概念の最近の変化
【治療】
アレルギー性鼻炎と気管支喘息の関連
下条 直樹
1
1千葉大学大学院医学研究院小児病態学
キーワード:
one airway
,
one disease
,
気管支喘息
,
アレルギー性鼻炎
,
合併率
,
アレルゲン感作
Keyword:
one airway
,
one disease
,
気管支喘息
,
アレルギー性鼻炎
,
合併率
,
アレルゲン感作
pp.678-679
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101195
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疫学調査では,気管支喘息患者の80~90%にアレルギー性鼻炎の合併がみられるとされている1).また鼻炎患者の30~40%に気管支喘息の合併があるという.このように気管支喘息とアレルギー性鼻炎は相互に深い関連を有することが以前から知られていたが,最近の研究から,鼻炎症状のない気管支喘息患者の鼻粘膜に好酸球が認められること,逆に気管支喘息症状のないアレルギー性鼻炎患者の下気道に好酸球浸潤があることや気道過敏性の亢進が存在することが明らかになってきた.これらの情報をもとに,近年ではアレルギー性鼻炎を上気道アレルギー疾患,気管支喘息を下気道アレルギー疾患としてとらえるのでなく,気道全体をひとつのアレルギー疾患の標的臓器として考えるべきであるとしてone airway, one diseaseの概念が注目されてきた2).
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