特集 難治性喘息—なぜこの喘息患者はよくならないのか?
Ⅲ.治療戦略を再構築する
アレルゲン免疫療法の可能性
中込 一之
1,2
1埼玉医科大学病院呼吸器内科
2埼玉医科大学病院アレルギーセンター
キーワード:
アレルゲン免疫療法
,
皮下免疫療法
,
舌下免疫療法
Keyword:
アレルゲン免疫療法
,
皮下免疫療法
,
舌下免疫療法
pp.544-549
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.243232680730040544
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POINT
●アレルゲン免疫療法は,アレルギー疾患の症状を改善させるだけでなく,自然経過を修飾し,寛解を誘導しうる治療法であり,皮下免疫療法(SCIT)と舌下免疫療法(SLIT)がある.
●本療法には,①治療を中止しても年余にわたり効果が維持される,②新規のアレルゲン感作を抑制する,などの自然経過の修飾作用があり,薬物療法とは異なった意義が期待できる.
●喘息におけるダニSCITの適応は,呼吸機能が正常なアトピー型喘息である.ダニSLITのわが国における保険適用疾患はアレルギー性鼻炎であるが,喘息でも鼻炎合併例では投与可能であり,ALK社製のダニSLIT製剤は喘息に対する効果も期待できる.
●ダニを主体とする重症喘息であっても,気流制限を伴わない場合は,AITの導入を考慮することは可能である.重症喘息で使用される生物学的製剤との併用効果も報告されている.

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