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第7章 腎・泌尿器系に作用する薬剤
[腎疾患用剤]
尿毒症治療薬
湊 さおり
1
,
大河原 晋
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター 腎臓内科
pp.960-963
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_960
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・尿毒素は慢性腎臓病(CKD)の進行とともに体内に蓄積し,腎機能のさらなる悪化とCKD関連疾患の発症に関与する.
・主な尿毒素のインドキシル硫酸やp-クレシル硫酸は前駆物質の腸内細菌による産生をきっかけとして血中濃度の上昇をきたし腎機能障害に関与する.このような関連 “腸腎連関” と称する.
・日常臨床で汎用される経口吸着炭薬は腸管内で産生される尿毒素を経腸的に吸着し,血液中の尿毒素減少を介して,臨床的効果を発揮する.
・腸内細菌叢や腸内環境を整えるプロバイオティクス,プレバイオティクスおよびシンバイオティクスは腸内での尿毒素産生を抑制し尿毒症治療薬としての側面を一部有すると考えられる.
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