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第7章 腎・泌尿器系に作用する薬剤
[腎疾患用剤]
リン吸着薬
駒場 大峰
1
1東海大学 医学部内科学系腎内分泌代謝内科/総合医学研究所
pp.955-959
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_955
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・透析患者では,透析でのリン除去,食事でのリン制限のみで十分なリン管理を行うことは難しい.このため,多くの症例でリン吸着薬が必要となる.
・リン吸着薬の効果を十分に発揮させるためには,服薬アドヒアランスが重要なポイントとなる.タイミングや飲み方を含めた患者指導も重要である.
・リン吸着薬を選択する際は,患者背景や検査値,副作用,患者の嗜好などを考慮し,血清リン値3.5~6.0mg/dLを目標に用量を調整する.
・十分なリン降下作用を確保しつつ,副作用を軽減・分散するため,2種類のリン吸着薬を併用することも有効である.
・低栄養の症例では,リン摂取制限よりもリン吸着薬を治療の中心に置くことにより,リン管理と栄養状態の維持の両立を目指す.
© Nankodo Co., Ltd., 2023