疾病の病態生理—最近の考え方・3
尿毒症
白井 大禄
1
1大阪大学医学部第1内科
pp.398-401
発行日 1972年3月1日
Published Date 1972/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916276
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はじめに
「尿毒症になれば助からない」という言葉をよく耳にする.たしかに尿毒症は重篤な病態ではあるが,その病態生理を十分に把握して,食事療法,人工透析や腎移殖を適切にほどこせば最近は著明に延命可能となった.
尿毒症(uremia)の言葉の元来の意味は「血中に尿がたまる」ということであり,この語源からわかるように,尿毒症とは腎臓の全機能の廃絶の結果として生じ,生体内にあらゆる尿成分が貯留し,生体内の恒常性の維持が失われ,それによって生じた多種多様の臨床像を呈する症候群ということができる.
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