医学と看護7月のテーマ
尿毒症
高須 照夫
1
1慈恵医大・内科
pp.53-56
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912803
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.まえがき
原因疾患の如何を問わず,腎機能が強度におかされると,いろいろな症状や代謝異常が発現する。この腎不全に由来する症状や代謝異常を一括して尿毒症という。腎臓の機能を大別すると,排泄・保持および産生の三つが挙げられる。従来,尿毒症とは排泄能力の低下のために代謝終産物や老廃物が体内に貯留蓄積して起こる中毒症状と考えられてきたが,保持能力の減退による水・電解質,その他の物質の喪失や,昇圧物質・抗昇圧物質または造血因子などを産生する能力の低下のために生ずる諸症状も,当然尿毒症の一部として,あるいは誘因として考慮されるべきである。
尿毒症例では腎排泄・保持(調節)能力低下に起因する特有な生化学的異常や水・電解質代謝障害のほかに,体内各臓器系統に尿毒症特有の症状所見がみられる。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.