特集 “思春期内科”―大人でも子どもでもない患者を診る
[Chapter 2] 思春期に発症しうる疾患
機能性消化管障害
中野 弘康
1
1大船中央病院 総合内科
キーワード:
機能性消化管障害(FGIDs)
,
思春期
,
腸脳微生物相関
,
警告徴候
,
非消化器症状
Keyword:
機能性消化管障害(FGIDs)
,
思春期
,
腸脳微生物相関
,
警告徴候
,
非消化器症状
pp.371-375
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_371
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▪大腸や小腸に器質的な異常がないにもかかわらず,排便と関連する反復性の腹痛と便通異常(下痢・便秘)を主症状とする病態を機能性消化管障害(FGIDs)という.ストレスを誘因として腹部症状の増悪と改善を繰り返し,生活の質が低下し,不登校に至ることもある.
▪FGIDsの典型的なゲシュタルト “消化管に関連する症状により慢性的な不快感があり,消化管内視鏡を行うも粘膜障害がない患者群” をつかむ.消化器症状にばかり注目せず,非消化器症状(倦怠感,頭痛,めまい,動悸など)も重視したい.
▪FGIDsを疑ったら器質的疾患を除外する(炎症性腸疾患と好酸球性胃腸炎).
▪FGIDsの治療のポイントは “経過の受容” と “丁寧な病態説明” である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023