特集 小児の下痢をもっと知ろう!
Ⅰ.下痢について詳しく知る
注意すべき随伴症状
垣内 俊彦
1
,
真鍋 達也
2
1佐賀大学医学部小児科
2佐賀大学医学部一般・消化器外科
キーワード:
慢性下痢症
,
炎症性腸疾患
,
随伴症状
,
警告徴候
,
腸管外症状
Keyword:
慢性下痢症
,
炎症性腸疾患
,
随伴症状
,
警告徴候
,
腸管外症状
pp.525-531
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001617
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SUMMARY
▷下痢症状に対して,反復性腹痛の際に器質的疾患を疑う警告症状・徴候が随伴しているかどうかを確認し,している場合は消化器内視鏡検査の実施を検討する.
▷下痢症状に加えて,血便,夜間の腹痛・下痢,肛門病変,関節痛,成長障害,不明熱などが随伴する場合は器質的疾患を疑うべきである.
▷腹痛や下痢を訴える小児を診療する機会は多いが,炎症性腸疾患に対する特異的で絶対的な生化学的マーカーが存在しないなかでは消化器内視鏡検査が常に考慮されるが,この侵襲性の高い検査をどのような患者に実施するかを適切に判断する臨床能力が必要とされる.

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