特集 コロナ禍で見えた感染症検査の原点回帰―各種検査の特徴とその解釈
[Chapter 4] 画像検査から感染症を考える
中枢神経系感染症の画像診断
中俣 彰裕
1
,
松木 充
2
,
小島 綜一郎
1
,
藤井 裕之
1
,
森 墾
1
1自治医科大学附属病院 画像診断科
2自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児画像診断部
キーワード:
細菌性髄膜炎
,
脳膿瘍
,
拡散強調像
,
結核
Keyword:
細菌性髄膜炎
,
脳膿瘍
,
拡散強調像
,
結核
pp.1313-1320
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_1313
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▪細菌性髄膜炎,脳膿瘍の画像診断は,質的診断のみならず,水頭症や脳梗塞といった合併症,および感染経路の検索に大きな役割を有する.
▪結核による肉芽腫性髄膜炎や脳内結核腫では,病変内部の乾酪壊死を反映したT2強調像での低信号域の同定が診断に有用である.
▪単純ヘルペスウイルス(HSV)脳炎は,側頭葉,島回,帯状回に好発するが,ほかの脳葉や脳幹,視床,小脳を侵すことがある.
▪神経梅毒は,T2強調像,FLAIRで側頭葉先端部皮質下白質の高信号域を特徴とするが特異的でない.また急性に悪化し,皮質,皮質下白質に腫脹を伴った高信号を示し,HSV脳炎に類似した所見を呈するが,拡散制限は乏しい.
© Nankodo Co., Ltd., 2023