特集 抗菌薬選択の実際―AMR(薬剤耐性)対策は日々の診療から
感染臓器・器官と起因菌を整理し,抗菌薬治療を考える
《市中感染症》
中枢神経感染症
上田 晃弘
1
Akihiro UEDA
1
1日本赤十字社医療センター感染症科
キーワード:
細菌性髄膜炎
,
内科的エマージェンシー
,
ペニシリン耐性肺炎球菌
,
βラクタマーゼ陰性アンピシリン耐性インフルエンザ菌
,
dexamethasone
Keyword:
細菌性髄膜炎
,
内科的エマージェンシー
,
ペニシリン耐性肺炎球菌
,
βラクタマーゼ陰性アンピシリン耐性インフルエンザ菌
,
dexamethasone
pp.45-49
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_45
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Summary
▪中枢神経感染症のなかでも細菌性髄膜炎は内科的エマージェンシーであり,迅速な抗菌薬投与が必要である.患者背景によって起因微生物を想定し,これらを有効にカバーする髄液移行性のよい抗菌薬を選択する.
▪加えて髄液のグラム染色により,さらに起因微生物の絞り込みが可能となる.成人の細菌性髄膜炎で最も頻度の高い肺炎球菌性髄膜炎においては,ステロイド併用の有効性も示されている.
▪起因微生物が同定され,薬剤感受試験の結果が判明すれば,それに基づき抗菌薬の最適化を行う.
© Nankodo Co., Ltd., 2018