特集 画像診断レポート ここだけは落とせない!主治医に伝えるべきポイント
第1章 脳神経
6 感染症
勝部 敬
1
,
河原 愛子
1
1島根大学医学部 放射線医学講座
キーワード:
髄膜炎
,
脳膿瘍
,
結核
,
単純ヘルペス脳炎
Keyword:
髄膜炎
,
脳膿瘍
,
結核
,
単純ヘルペス脳炎
pp.1203-1213
発行日 2022年10月31日
Published Date 2022/10/31
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000002118
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中枢神経感染症では主にCTとMRIが撮像される。CTは迅速に検査が行えるため,中枢神経症状を有する患者の初期検査として用いられることが多い。CTは髄膜炎や脳炎などの中枢神経感染症における診断能はMRIに劣るが,急性期出血,石灰化または骨の変化には鋭敏である。中枢神経感染症はMRIが最も重要な画像検査となるが,意識障害や不穏などにより安静を保つことが困難である患者も多いため,どの撮像法を優先すべきか決定する必要がある。そのような場合は拡散強調像,次いでFLAIRを優先すべきと考える。いずれの撮像法も異常信号を捉えやすく,拡散強調像は体動による画像劣化が少ない。造影MRIは有用であるため,禁忌でなければ撮像する。初期は異常所見がないことや軽微であることもあるため,症状経過に応じて適切に再検査を行うべきである。
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