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第9章 神経系に作用する薬剤
非麻薬性オピオイド(tramadol)
萩原 彰人
1
1国立病院機構埼玉病院 緩和ケア内科
pp.1018-1022
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_1018
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・オピオイド鎮痛薬は,WHOの分類では鎮痛効果の違いから弱オピオイドと強オピオイドに分けられる.弱オピオイドのtramadolは,codeine類似の合成化合物である.
・弱オピオイドは,一定以上に増量しても鎮痛効果が比例して増強しなくなる “天井効果(ceiling effect)” が知られている.天井効果の目安は,tramadol 300~400mg/日である.
・tramadolは,肝臓で作用するCYP2D6の遺伝子多型により,鎮痛効果が減弱する場合がある.とくに代謝酵素をほとんどもたないpoor metabolizerでは,鎮痛作用が発揮されないため注意を要する.
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