今月の主題 痛みとその対策
薬の使い方
麻薬
藤田 達士
1
1群馬大麻酔学
pp.634-635
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206555
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古来,麻薬,とりわけモルフィンが使用されてきた理由のひとつは鎮痛作用のみならず,痛みに対する恐怖感を除く作用が強いためである.このeuphoriaのために一次的精神依存が生ずるが,モルフィンは健康人ではdisphoriaを起こすので,精神的依存がもともと強いわけではなく,二次的精神依存6)(禁断症状からの逃避願望)が強いための精神依存であり,それだけ身体的依存が強いと考えられる.今日の麻薬の進歩は,モルフィンの持つ副作用を少なくすることにある.そのひとつは,pentazocineにみられるような依存性の減弱化であり,他のひとつは,fentanylにみられるような強力化(モルフィンの200倍)と,短時間作用性を組み合わせた調節性に富む麻薬の合成である.
一方,使い方の面からも進歩が重ねられてきている.
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