特集 骨髄腫と類縁疾患―全身をみわたす診断・治療
骨髄腫の合併症管理
感染症の予防と治療
森 信好
1
1聖路加国際病院 感染症科
キーワード:
多発性骨髄腫(MM)
,
侵襲性肺炎球菌感染症
,
帯状疱疹
Keyword:
多発性骨髄腫(MM)
,
侵襲性肺炎球菌感染症
,
帯状疱疹
pp.775-778
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_775
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Summary
▪多発性骨髄腫(MM)の治療は画期的に進歩しており,慢性疾患の意味合いが強くなっているが,一般人口に比べて感染症リスクが7倍高いことが知られており,血液内科医として感染症対策はきわめて重要である.
▪MMは,疾患そのものにより主として液性免疫が低下し,侵襲性肺炎球菌感染症をはじめとする莢膜を有する細菌感染症のリスクが上昇する.
▪治療ごとに低下する免疫と感染症の起因微生物が異なるが,とくにプロテアソーム阻害薬使用による帯状疱疹のリスクについて認識し,適切な予防投与を行う必要がある.
▪感染リスクの高い肺炎球菌,帯状疱疹に加えて,インフルエンザ,COVID-19に対するワクチン接種について把握しておく.
© Nankodo Co., Ltd., 2022