特集 骨髄腫と類縁疾患―全身をみわたす診断・治療
骨髄腫の合併症管理
骨病変の予防と治療
今井 陽一
1
1獨協医科大学 内科学(血液・腫瘍)
キーワード:
破骨細胞
,
RANKL
,
骨芽細胞
,
ビスホスホネート製剤
Keyword:
破骨細胞
,
RANKL
,
骨芽細胞
,
ビスホスホネート製剤
pp.771-774
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_771
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Summary
▪多発性骨髄腫(MM)症例の診断時に約8割で骨の異常がみられ,溶骨病変の進行は予後不良に関与する.
▪溶骨病変は骨の吸収と造骨のバランスが崩れて形成される.
▪RANKLの異常などによる破骨細胞の活性化に加えて,骨細胞,骨芽細胞の異常も溶骨病変の発生に関わっている.
▪ビスホスホネート(BS)製剤はdenosumabとともに,MMの骨病変の管理において骨吸収の阻害薬として臨床使用が認可されている.
▪局所の溶骨病変のコントロールに放射線照射や椎体形成術が有効な場合がある.
▪プロテアソーム阻害薬などの抗骨髄腫治療薬による溶骨病変への効果も期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2022