特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第10章:神経
在宅で人工呼吸器を付けた筋萎縮性側索硬化症の患者をみることになりました.どのようなことに気をつけたらよいでしょうか?
髙橋 祐二
1
,
花井 亜紀子
2
1国立精神・神経医療研究センター・病院 脳神経内科
2国立精神・神経医療研究センター・病院 医療連携福祉相談部
pp.674-676
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_674
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お答えします 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の侵襲式人工呼吸器(気管切開下陽圧換気療法(TPPV))長期装着時における合併症として,① 呼吸器系;肺炎,無気肺,気胸,気管切開部肉芽,出血,気管食道瘻,② 循環器系;深部静脈血栓,血圧変動,たこつぼ型心筋症,③ 消化器系;呑気症,胃十二指腸潰瘍,上腸間膜動脈症候群,胆石症,脂肪肝,④ その他;尿路感染症,尿管結石,滲出性中耳炎,低体温,高血糖,などに注意が必要です.栄養管理,コミュニケーション方法にも留意します.日常生活においては医療・介護依存度が高く,また攻撃性,強迫性など性格変化や情動制止困難を合併することもあり,介護者の負担軽減に配慮が必要です.
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