特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第1章:循環器
心エコー検査で推定右室圧が高値の患者がいます.どこまで精査を行うべきでしょうか?
土肥 由裕
1
1呉共済病院 循環器内科
pp.346-348
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_346
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お答えします 三尖弁逆流ピーク血流が3.4m/秒超あるいは2.9~3.4m/秒であり,かつ肺高血圧症を示唆する心エコー所見があれば,肺高血圧症が強く疑われます1,2).これらの所見を認めた場合,右心カテーテルを含めた精査が必要です.また,その他の肺高血圧症を示唆する臨床所見に乏しい場合でも,三尖弁逆流ピーク血流が2.9~3.4m/秒であれば,膠原病などの肺高血圧症発症リスクを評価したうえで経過観察が必要です.三尖弁逆流ピーク血流が2.8m/秒以下でも,原疾患によっては経過観察が必要なことがあります.
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