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心臓疾患の外科的治療の予後は修復をうけた心臓の機能による。手術の対象となる心疾患を術前に心臓にかかる負荷によって2群に分けることができる。容量負荷のかかる場合と圧負荷のかかる場合とである。前者には左右シャントの多い心房中隔欠損症,心室中隔欠損症,弁閉鎖不全症があり,後者にはファロー四徴症,高肺血管抵抗性心室中隔欠損症,弁狭窄症がある。左右シャントの著しい心室中隔欠損症では右室に圧負荷もかかるので両者を判然と区別しえない場合もある。容量負荷の心疾患は中隔欠損の閉鎖などによって通常は容量負荷は正常となるが,一方圧負荷の心疾患は術後に多少とも圧負荷が残存することが多い。先天性疾患では右室に圧負荷が残存することが多いが,この場合には術後右室が,残存する圧負荷に耐えて正常の心拍出量を維持できるか否かが術後の予後を決める大きな因子となる。
著者らは心臓機能を圧負荷で判定する方法,すなわち安定した血行動態のえられる範囲において心室の耐えうる最大の圧負荷(定常循環最高心室圧)をもって心室機能を判定する方法について研究を行ってきた1〜3)。今回は先天性心疾患の開心術後に右室の定常循環最高心室圧を測定し,これを術前後の右室収縮期圧との比較,検討を行なったので,その結果について報告する。
Tolerable maximum afterload (TMA) of the right ventricle was measured, after intracardiac repair and before the chest was closed, in the patients with atrial septal defect, ventricular septal defect, pulmonary stenosis and tetralogy of Fallot. TMA was defined as the systolic right ventricular pressure at the point where the distal pulmonary arterial pressure began to fall in the course of gradual constriction of the main pulmonary artery.
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