特集 どうする!? 突然の感染症対応―外来患者も入院患者も
特集のねらい
中村 造
1
1東京医科大学病院 感染制御部・感染症科
キーワード:
感染症診療の初動
,
症候
,
検査
,
ピットフォール
Keyword:
感染症診療の初動
,
症候
,
検査
,
ピットフォール
pp.1024-1025
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_1024
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- 文献概要
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により臨床での感染症診療はより複雑なものとなり,COVID-19の影に隠れて見逃される感染性疾患は少なくない.発熱症例に新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)検査を繰り返し実施したが,複数回陰性であった症例が「実は急性胃腸炎であった」「感染性心内膜炎であった」などというケースを経験する.COVID-19に気を取られるあまり,またCOVID-19が伝染性疾患であるがゆえに,感染予防策に過剰に留意し,結果として詳細な病歴聴取や診察ができず,以前は診断可能であった疾患への対応能力が低下していることが想像される.また,ここ数年で内科研修を開始した医師は,COVID-19中心の診療を経験しているため,その他の主要な感染症への対応能力に不安があるという声が聞かれる.
© Nankodo Co., Ltd., 2022