特集 胆道・膵疾患を診る―早期診断・早期治療のために
胆膵疾患総ざらい
肝膿瘍
岩崎 栄典
1
1慶應義塾大学 医学部消化器内科
キーワード:
肝膿瘍
,
胆管炎
,
憩室炎
,
経皮的膿瘍ドレナージ
Keyword:
肝膿瘍
,
胆管炎
,
憩室炎
,
経皮的膿瘍ドレナージ
pp.101-105
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_101
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Summary
▪肝膿瘍はさまざまな病原体が感染して肝臓に膿瘍を形成する疾患であり,治療は膿瘍のドレナージ,抗菌薬での治療が主体である.
▪アメーバ性肝膿瘍の場合にはmetronidazoleが使用される.
▪原因疾患は胆道由来,血行経路,隣接臓器炎症の直接経路,肝胆道系の侵襲的処置後などがあげられ,原因疾患への治療も並行して進める必要がある.
▪細菌性肝膿瘍は肝胆道系基礎疾患や併存疾患の存在に加えて,非特異的な症状から早期診断が難しく,集中治療を要し一定数の死亡率が報告されている.
▪感染初期の微小膿瘍多発時期は画像診断は困難であり,原因のはっきりしない発熱や敗血症の際にはダイナミック造影CTを用いた評価が重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2022