Japanese
English
特集 肝良性疾患—鑑別診断と治療法選択のupdate
肝膿瘍—アメーバ性肝膿瘍
Hepatic abscess: Amebic hepatic abscess
廣安 俊吾
1
,
武藤 良弘
1
Syungo HIROYASU
1
1琉球大学医学部第1外科
キーワード:
肝膿瘍
,
アメーバ
,
ワクチン
Keyword:
肝膿瘍
,
アメーバ
,
ワクチン
pp.913-917
発行日 2001年7月20日
Published Date 2001/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904510
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アメーバ性肝膿瘍は赤痢アメーバ(E.histolytica)の経口感染により,経門脈的に肝に達して膿瘍を形成した状態である.性別は圧倒的に男性に多く,海外渡航者,同性愛者,梅毒反応陽性がリスクファクターとされ,近年ではHIV感染との関連も問題となっている.熱発,右上腹部痛を認め,ときに右胸部症状を認める.膿瘍は典型的にはアンチョビペースト状で,無臭である.治療はメトロニダゾールを第一選択とし,必要に応じてドレナージを施行する.適切に対処されれば予後は比較的良好である.近年,分子生物学の発展に伴って新しい血清学的診断法が開発され,アメーバ症の根絶を目指したワクチン療法の確立が期待されている.
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