特集 日頃の感染症診療で気になる疑問2022
検査への疑問
髄膜炎を疑って髄液検査をするときに提出すべき検査および解釈は?
能勢 裕久
1
1鹿児島市医師会病院 脳神経内科
キーワード:
髄液細胞数上昇(多核球優位・単核球優位)
,
髄液糖/血糖比
,
グラム染色
,
PCR検査
,
髄液クリプトコッカス抗原
,
髄液細胞診
,
保険適用の有無
Keyword:
髄液細胞数上昇(多核球優位・単核球優位)
,
髄液糖/血糖比
,
グラム染色
,
PCR検査
,
髄液クリプトコッカス抗原
,
髄液細胞診
,
保険適用の有無
pp.243-247
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_243
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪発熱,頭痛,意識の変容,項部硬直などの症状がある場合に,髄膜炎を疑い,髄液検査を行う.
▪腰椎穿刺/髄液検査の前に頭部CTなどの画像検査が行われ,病歴や神経症状などの評価も併せ,髄液検査が行われることが多い.
▪初回,最低限行うべきは,髄液細胞数・細胞種類,初圧の測定,髄液外観の観察,髄液蛋白,髄液糖(血糖測定し,比較),髄液グラム染色と一般細菌培養,結核菌PCRと抗酸菌染色および培養,髄液クリプトコッカス抗原,である.
▪抗N-menthyl-D-aspartate(NMDA)受容体抗体脳炎など,脳炎/脳症の世界は,鑑別や検査が多岐にわたることもあり,意識障害があり脳炎/脳症が疑われる場合は,最初の採血や髄液採取はより多めの採取を心がけ,細かく分注して,初期の髄液ストック,血清ストックなどを残し,脳神経内科に相談・紹介していただきたい.
© Nankodo Co., Ltd., 2022