特集 日頃の感染症診療で気になる疑問2022
検査への疑問
肺炎を疑って気管支鏡検査をするときに提出すべき検査および解釈は?
山本 成則
1,2
,
中島 啓
2
1昭和大学 呼吸器アレルギー内科
2亀田総合病院 呼吸器内科
キーワード:
肺炎
,
気管支鏡検査
,
気管支肺胞洗浄
Keyword:
肺炎
,
気管支鏡検査
,
気管支肺胞洗浄
pp.239-242
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_239
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Summary
▪肺炎に対する気管支鏡検査の適応は,① 感染性肺炎の起炎菌検索(感染症の除外を含む)が治療方針決定に必要な場合,② 何らかの基礎疾患に続発した感染性肺炎の原因疾患検索(閉塞性肺炎を起こした肺がんなど)を行う場合,③ 非感染性肺炎を疑う場合,である.
▪肺炎を疑って気管支鏡検査で提出する検査項目は,臨床所見や胸部CT所見(浸潤影,結節影,粒状影,すりガラス影など)から鑑別診断を考えて決定する.提出すべき検査としては,塗抹・培養検査(気管支洗浄液,吸引痰,生検組織),肺生検などが主軸となり,鑑別疾患に応じて追加する検査を吟味する.
▪気管支肺胞洗浄(BAL)所見の細胞分画の評価では,好中球比率の上昇を認める場合は細菌感染を考え,リンパ球および好酸球比率の上昇を認める場合はステロイドの全身投与に反応する病態(特発性器質化肺炎,好酸球性肺炎,薬剤性肺炎など)を考える.
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