Book Review
アプローチと実践がわかる 高齢者の乳がん診療
長島 文夫
1
1杏林大学医学部腫瘍内科 臨床教授
pp.894-894
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_894
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- 文献概要
がん診療に携わるすべての医療スタッフ待望の良書が発刊された.タイトルは,『アプローチと実践がわかる 高齢者の乳がん診療』である.『国盗り物語』(司馬遼太郎・著)には「病人なら投薬すればなおる.しかし老人を死からまもることはできぬ」といった一節がある.本書のアドバンスケアプランニングの項にも解説があるように,高齢者は人生の最終段階に近いと言えなくもない.現代の医療は,“病を抱える高齢者” にあらゆる治療法を提案可能であり,治療方針決定の判断に悩む状況も少なからず生じてくる.タイトルにあるように,とくに「アプローチと実践がわかる」というところが本書の特徴で,高齢者の多様性に配慮してあらゆる支援を意識するといった趣旨が貫かれている.
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