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第11章:腎 臓
透析患者の高カリウム血症は果物,生野菜の過剰摂取だけが原因ではない
神田 武志
1
1慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科
キーワード:
高カリウム血症
,
透析
,
レニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬
Keyword:
高カリウム血症
,
透析
,
レニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬
pp.747-749
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_747
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高カリウム(K)血症は心筋細胞の伝導速度を変化させ不整脈を惹起し透析患者の突然死を引き起こす可能性がある.血液透析患者では週3回4時間の透析により短時間でKを除去しているため常に高K血症のリスクを伴う.残存腎機能の低下とともに果物や生野菜といったKの豊富な食材の過剰摂取が高K血症の主要な原因であるが,透析患者特有の要因も寄与しており,本稿では透析患者における高K血症の意義,原因,対処方法について概説する.
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