特集 リンパ腫診療―診断の入り口から治療まで
リンパ腫診療におけるFAQ
リンパ腫治療における感染症予防は?
楠本 茂
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学
キーワード:
予防
,
先制治療
,
ニューモシスチス肺炎
,
サイトメガロウイルス
,
帯状疱疹
Keyword:
予防
,
先制治療
,
ニューモシスチス肺炎
,
サイトメガロウイルス
,
帯状疱疹
pp.279-282
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_279
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Summary
▪悪性リンパ腫治療中の感染症対策により,感染症関連死亡リスクを低下させることだけでなく,計画どおりにリンパ腫治療を遂行することによって,リンパ腫増悪死亡リスクの低下も期待できる.
▪個々の患者の状態や予定している治療に基づき,感染リスクを事前に評価し,リスクに応じた対策(予防,先制治療,標的治療)を講じることが肝要である.とくに,ニューモシスチス肺炎,サイトメガロウイルス感染症,帯状疱疹,B型肝炎ウイルス再活性化および発熱性好中球減少症は事前のリスク評価が必須である.
▪分子標的治療薬を含む新規のリンパ腫治療の導入により,感染リスクは変化しており,より質の高い感染対策のエビデンスの構築が求められている.
© Nankodo Co., Ltd., 2021