特集 内科臨床と性差
性差を意識した診療
性差医療を踏まえた漢方医学的アプローチ
大澤 稔
1
1東北大学病院産科婦人科・漢方内科
キーワード:
漢方薬
,
更年期障害
,
症候群
,
血の異常(瘀血・血虚)
Keyword:
漢方薬
,
更年期障害
,
症候群
,
血の異常(瘀血・血虚)
pp.1079-1084
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_1079
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Summary
▪性差医療とは男女で罹患頻度に差のある疾病について,とくに女性の生理学的特性を考慮した医療のことである.
▪性差を生じさせる理由の一つが月経(周期)の存在であり,とくに閉経と更年期を無視することはできない.
▪更年期障害は多愁訴を特徴とし,ホットフラッシュを除いて女性ホルモン補充療法だけでは不十分なことが多い.併せて月経(周期)関連のトラブルは血の異常(瘀血・血虚)との関連が深いとされ,西洋薬ではなかなか治癒しにくい側面がある.
▪多愁訴を “症候群” と捉え,その各症状の組み合わせから漢方薬をフローチャートで選択する手法(alternative pathway)を紹介する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021