特集 内科臨床と性差
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うつ病と身体症状の性差
中尾 睦宏
1
1国際医療福祉大学医学部心療内科学
キーワード:
身体症状
,
うつ病
,
性差
,
ジェンダー
Keyword:
身体症状
,
うつ病
,
性差
,
ジェンダー
pp.1131-1135
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_1131
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Summary
▪うつ病は疲労感,不眠,腰痛,息切れなどさまざまな身体症状を呈する.
▪軽症うつ病の場合は,抑うつ気分や興味の減退といった精神症状が前面に出ずに,もっぱら身体不調を訴えるので,鑑別に気をつける.
▪うつ病は,女性のほうが男性より有病率が高いが,この性差は思春期以降から生じる.
▪うつ病の性差については,性ホルモンなど生物学的要因だけでなく,社会的役割の変化,健康不安,受診行動など心理社会学的要因にも配慮する.
▪うつ病になると,否定的な感情が生じやすくなり,身体化傾向も高まるため,心理社会的ストレスへの反応が亢進して心身不調がより顕著となる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021