特集 内科臨床と性差
性差を意識した臨床
更年期外来
寺内 公一
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座
キーワード:
閉経
,
更年期症状
,
更年期障害
,
エストロゲン
Keyword:
閉経
,
更年期症状
,
更年期障害
,
エストロゲン
pp.1069-1073
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_1069
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Summary
▪閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を更年期という.
▪更年期に現れる多種多様な症状のなかで器質的変化に起因しない症状を更年期症状とよび,これらの症状のなかで日常生活に支障をきたす病態を更年期障害と定義する.
▪現時点で「更年期障害の診断基準」は存在せず,症状質問票も確定診断のためのツールではない.
▪エストラジオール(E2)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の血清濃度測定も確定診断を補助しない.
▪受容と共感を表出しながら患者の訴えに傾聴し,生活習慣の改善指導を試みるとともに,可能であれば薬物療法の前に認知行動療法などの心理療法を試みる.
▪薬物療法としては,① 閉経期ホルモン療法(MHT),② 漢方薬,③ 向精神薬などが用いられる.
▪患者が自分を取り巻く身体的・心理的・社会的状況を受容できるようになりQOLが向上すれば,治療を終了することも可能である.
© Nankodo Co., Ltd., 2021