特集 便秘・下痢―医師必見のUp-to-Date 2020
下痢をきたす疾患(各論)
好酸球性胃腸症,microscopic colitis
貫 陽一郎
1,2
,
梅野 淳嗣
2
1宗像水光会総合病院消化器科
2九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
キーワード:
好酸球性胃腸症
,
microscopic colitis
,
プロトンポンプ阻害薬
,
ステロイド
Keyword:
好酸球性胃腸症
,
microscopic colitis
,
プロトンポンプ阻害薬
,
ステロイド
pp.87-90
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_87
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Summary
▪好酸球性胃腸症(EGE)は消化管に好酸球が異常集積することで引き起こされる炎症性疾患で,組織学的には消化管壁への好酸球浸潤と血管炎を伴わない浮腫を特徴とする.下痢や腹痛,嘔吐を主訴とし,ステロイド投与が有効であるが,再発例も多い.
▪microscopic colitis(MC)は,collagenous colitis(CC)とlymphocytic colitis(LC)の総称であり,慢性の水様性下痢を主な症状とし,内視鏡的には大腸はほぼ正常であることを特徴とする.診断には生検組織での顕微鏡的な炎症所見の証明が必須である.本邦ではプロトンポンプ阻害薬(PPI)に関連した症例が多くみられる.原因薬剤の中止のみで軽快する例も多いが,ステロイド投与が必要な難治例も存在する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020